
坂家は家祖以来、同地にて萩焼の伝統を守り伝えてまいりました。各代の残した作品に倣いつつ、また受け継いだ登り窯や陶土を用い、萩焼らしい柔和なやきものを作り続けることは、私の使命の一つと考えています。
しかし一方で、当家に残された「伝統」は、一つの様式をただ墨守するだけでは足りない、ということを示唆しています。時代に応じた作風の変遷からは、各代が積み重ねてまいりました創意の連なりを強く感じ取ることができます。
いずれもいまだ模索の中にありますが、その両者のはざまにありつつ創意を磨き、新たなやきものを作るべく取り組んでいます。